刺繍では、アートワークはインクではなく糸で再現されるため、独自のデザイン要件があります。このガイドでは、サイズのルール、色の使い方、デザインの原則について説明し、デジタル変換しやすく、最終商品の縫製でも安定して再現できる刺繍用データを作成できるようサポートします。
刺繍の種類
Printfulでは3種類の刺繍技法を提供しています。それぞれでデザイン要件が異なるため、どの種類の刺繍向けにデザインしているのかを把握しておくことが重要です。
- 標準的な2D刺繍:ステッチを表面に平らに刺繍します。キャップ/ハット、アパレル、バッグで利用できます。
- 3D刺繍:フォーム材を使って立体的に仕上げる刺繍です。キャップ/ハットのみで利用できます。デザインは2D刺繍よりも太く、シンプルである必要があります。
- 無制限カラー刺繍:Coloreel技術を使用して滑らかなグラデーションを表現し、CMYK色域内のあらゆる色で刺繍できます。一部の製品で利用可能です。詳細はUnlimited color embroideryをご覧ください。
サイズ要件
以下の表は、各刺繍タイプでデザイン要素が満たす必要のある最小寸法を示しています。これらの要件を満たさない要素はデジタル変換時に調整されます。小さなディテールは拡大されたり、ランステッチに変換されたり、削除されたりする場合があります。
| 要件 | 2D刺繍/無制限カラー刺繍 | 3D刺繍(キャップ/ハットのみ) |
| 最小文字高 | 0.25" (≈6.35 mm) | — |
| 最小線幅 | 0.05" (≈1.27 mm) | 0.2" (≈5 mm) |
| 最大線幅 | — | 0.5" (≈12.7 mm) |
| 最小ネガティブスペース | 0.25" (≈6.35 mm) | 0.05" (≈1.27 mm) |
色
標準刺繍では、15色の利用可能な糸色のパレットから、1デザインにつき最大6色の糸色を使用できます。これには、空白部分や背景部分に使用される塗り色も含まれます。利用できない色を含むデザインをアップロードすると、デザイン作成ツールが自動的に最も近い色を選択します。また、デザインをアップロードした後に、デザイン作成ツール上で15色の利用可能な糸色から手動で選択することもできます。
| 糸色 | Hexコード | 糸番号 |
| ホワイト | #FFFFFF | 1801 |
| ブラック | #000000 | 1800 |
| グレー | #96A1A8 | 1718 |
| ネイビー | #333366 | 1966 |
| アクア/ティール | #3399FF | 1695 |
| パープル | #6B5294 | 1832 |
| マルーン | #660000 | 1784 |
| レッド | #CC3333 | 1839 |
| フラミンゴ | #CC3366 | 1910 |
| オレンジ | #E25C27 | 1987 |
| ゴールド | #FFCC00 | 1951 |
| オールドゴールド | #A67843 | 1672 |
| キウイグリーン | #7BA35A | 1848 |
| ケリーグリーン | #01784E | 1751 |
| ロイヤル | #005397 | 1842 |
グラデーション、色のブレンド、繊細な陰影は、標準刺繍では糸で再現できません。代わりに、ベタ塗りのフラットな色を使用してください。
無制限カラー刺繍では、滑らかなグラデーションやCMYK色域内のあらゆる色を使用でき、光や影の効果を含む複雑なイラストにも対応できます。ただし、この技法の特性上、元のデザインの一部の色が完全には再現されない場合があります。ネオン、メタリック、そのほか色域外の色は、どちらの技法でも使用できません。
線と形
刺繍は、太くシンプルな形状のデザインに最も適しています。細い線は縫製後に消えたり、不均一に見えたりする場合があり、複雑なディテールは縫製工程でつぶれて一体化しやすくなります。
2D刺繍では、すべての線を少なくとも0.05" (≈1.27 mm)の太さにしてください。これより細い線はランステッチに変換されたり、特殊なステッチの組み合わせが必要になったり、完全に削除されたりする場合があります。3D刺繍では、線の太さは0.2" ~ 0.5"である必要があります。
写真、複雑なイラスト、ダメージ加工のテクスチャ、細かい繰り返しパターンは避けてください。これらは糸でうまく再現できません。
テキスト
刺繍のテキストは、縫製後も判読しやすくするために、太くはっきりした線が必要です。非常に細いフォントや繊細なセリフのディテールは、輪郭が失われやすくなります。
- 2D刺繍の最小文字高:0.25" (≈6.35 mm)
- 最小線幅:0.05" (≈1.27 mm)
- 高さが0.1" (≈2.54 mm)未満の文字は、デジタル変換時に完全に削除される場合があります
- 3D刺繍の場合:線幅は少なくとも0.2" (~5.08 mm)
フォントが細すぎる場合は、より太いバージョンに変更するか、太めのアウトライン/ストロークを追加して読みやすさを高めてください。
ネガティブスペース
ネガティブスペースとは、生地が見えるデザイン内の空白部分を指します。これらの隙間は、縫製後もはっきり区別できるよう、十分な幅が必要です。そうでない場合、埋まってしまったり、周囲のデザインが変形して見えたりすることがあります。糸は縫製時にわずかに広がるため、データ上では十分広く見える隙間でも、実際に刺繍すると閉じてしまう場合があります。
2D刺繍では、ネガティブスペースを少なくとも0.25" (≈6.35 mm)の幅に保ってください。隙間が狭すぎる場合は、空白のままにするよりも、糸色で埋めたほうがきれいに仕上がることが一般的です。
3D刺繍では、すべてのデザイン要素の間を少なくとも0.05" (≈1.27 mm)離す必要があります。盛り上がった部分同士の隙間が非常に狭い場合は、サテン縫いとタタミ縫いのような特殊なステッチの組み合わせが必要になったり、縫製中に完全に埋まってしまったりすることがあります。
背景
背景を透明にした状態でデザインをアップロードしてください。
送信前の確認
- 各商品のカタログページにある刺繍ファイルテンプレート(入稿データガイドラインタブ内)を使用して、デザインが許可された刺繍範囲内に収まっていることを確認してください。
- デザイン作成ツールを使うと、3,000点以上のクリップアートグラフィックや、あらかじめ用意されたクイックデザインを閲覧できます。最初からファイルを作成したくない場合に便利です。
- サンプルを注文して、ショップでの商品として掲載する前に、デザインが糸でどのように見えるかを確認してください。
- ファイルを刺繍向けに整えるサポートが必要ですか? 背景の削除、デザインの簡略化などについては、Fiverrで専門家に依頼できます。
何がうまくいき、何がうまくいかないのかを見てみたいですか? Embroidery file guideで詳細と実例をご確認ください。